アラン・ロベール・ル・メニル・レゼルブ1990 [シャンパン]
アラン・ロベールというと世界中の高層建築物を命綱無しで登る「スパイダーマン」の
異名を持つ、とてつもないフランスのフリークライマーを思い出す人も多いかも知れません。
でも、シャンパンブランドにもとてつもないアラン・ロベールがあるんです。
「消えゆく伝統を守る最後の作り手」と称され、まさに消えつつある「アラン・ロベール」です。
有名なクリュッグやサロンと同じメニルの村に本拠地を置き、ブラン・ド・ブランのベスト5を選ぶとすれば、
ジャック・セロスとテタンジェを加えた5つというのはまぁまぁ異論がないところでしょう。
ネゴシアン・マニュプラン(自社畑を持たないあるいは一部持っている醸造・販売業者)主流のシャンパン業界
の中で、17世紀から400年近くに渡り自社の畑のみのブドウにこだわったレコルタン・マニュピュラン(自社畑
だけのぶどうを用いる醸造・販売業者)として、際だった個性を発揮していました。
生産量はすべて併せて11万本ほどでしたから少ないですよね。
グランクリュ畑のル・メニルの葡萄のみを使い、シャルドネ100%。
この頑なまでに伝統的な手法にこだわるアラン・ロベールのシャンパン造りの結晶メニル・ルゼルヴは平均樹
齢30年の葡萄より作られ、一次醗酵は大樽(デュミ・ミュイ)で行われます。
ルゼルヴの二次発酵は一般的なボトル・キャップで栓をした瓶で行わます。
デゴルジュマンまで、メニル・セレクションやヴュー・ドゼより長い期間、ワインは澱の上に寝かせられます。
アラン・ロベールは、シャンパンの大手にはつき物のPR活動などには全く興味を示さないし、流通量も少ない
為、かつては知る人ぞ知る存在でした。
ですが、ロバート・パーカーなどが早くから最高評価の「5ツ星」をつけたりしたので、有名になっていったのです。
またアラン・ロベールのシャンパンを特徴付けるのが、拘りの「長期熟成のシャンパン」を、より良い状態で熟成させたいと願うゆえに、「マグナム・ボトル」の瓶詰めを通常
の生産者達の割合より、かなり多く瓶詰めしています。
商売ベースで考えれば、どう見ても750mlにした方が儲かるわけですが、より良い
シャンパンを世に送り出すためにあえて「マグナム・ボトル」でにお出荷を多くしているのです。
そんな、職人気質丸出しのアラン・ロベールですが、貴族の流れを組む10代当主は畑作業の服では、お客の前に姿を出さざちゃんと着替えて会うそうです。
残念なことにアラン・ロベールは引退してしまって新しいものは造っていません。
ですから、もしお店で見つけたら迷わず買うことをお薦めします。
もう、二度と飲めないでしょうから・・・
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>>ザガットサーベイ東京のレストラン〈2013〉
2013-10-10 14:48